田舎に実両親と3世代で住む主婦のブログ

主婦のconです。スローライフはあこがれるけど実際は? 日本株を運用しながら、田舎で3世代同居でのあんなことやこんなことを書いていくブログです。

帝王切開は自然分娩より楽!?できるだけ帝王切開をしないほうがいい理由・リスクについて

こんにちは。conです。

 

私は産婦人科で働いていた経験があります。

今回は帝王切開のリスクについてまとめてみたいと思います。

 

私が産婦人科で働いていた頃「もう痛すぎて無理~~~おなか切って~~」と懇願してくる人はよくいます。

 

また、産婦さんの家族が「こんなに痛がっているのにどうして帝王切開してくれないんだ!」と詰め寄られたりもします 汗

 

帝王切開行って「帝王切開だったんだ、楽でで良かったね」なんて言葉を言われたりして、傷ついた方もいらっしゃるかもしれません。

 

医師は国で決めたガイドラインに則って治療行います。

そのガイドラインの中の「適応」がないと帝王切開は基本的に行いません。

それは帝王切開するにはそれなりのリスクが伴うからです。

 

今回はそのリスクについて紹介したいと思います。

 

 

 

帝王切開のリスク

帝王切開のリスクは以下のものがあります。

 

【お母さん側のリスク】

  • 麻酔によるショック
  • 出血
  • 臓器損傷(尿管、腸管など)

→この辺は手術時のリスクです。麻酔時のショックなど医師がどう頑張っても避けられないこともあります。

 

  • 産褥熱
  • 深部静脈血栓症
  • 肺血栓塞栓症
  • 術後イレウス
  • 縫合不全

 

→この辺は術後のものです。

深部静脈血栓症や肺血栓塞栓症は理屈はエコノミークラス症候群と同じです。

長時間足を動かしていないと血管の中で血の塊ができて、それが肺に飛んでしまったら呼吸困難や失神を起します。

最悪の場合、そのまま亡くなることもあります。

 

術後イレウスも、長時間腸を動かしていないため腸が中で閉塞してしまう状態です。

そのため、帝王切開したら翌日から歩いてもらいます

 

びっくりする人もいるんじゃないでしょうか??切腹したのに翌日から歩くって!!

私がいた病院は痛み止めを使いながら歩いてもらっていましたが、ほかの人の体験談を聞くと、それでも痛くておなかをかばいながらやっと数メートル先のトイレにまで行ったという話を聞いたりします。

 

あと、イレウスの場合、腸が動いていないのでガスが出なくなります。術後ガスが出たか・お通じがあったか、しつこいくらいに聞かれると思いますが、こういった合併症がないか確認するためのものですので、気を悪くしないでくださいね。

その予防のためにもいっぱい歩きましょう!!

イレウスになるほうが、ずっとマーライオン状態だし、絶飲食だし、ツライですからね!!!

 

 

【次回妊娠分娩への影響】

  • 帝王切開の反復
  • 子宮破裂
  • 前置胎盤
  • 癒着胎盤

→帝王切開を行うと、一度切った子宮はその部分が薄くなることがあります。

一度帝王切開で出産して、その後妊娠し、陣痛があるとその負荷に耐えられず、子宮の薄くなったところから子宮が破裂する危険性があります

もし破裂したら、相当ヤバいです。赤ちゃんもお母さんも亡くなる場合があります。

帝王切開何回もやると危ないので、帝王切開は3回まででした。3回目の帝王切開には、次回帝王切開しなくていいように同意を取って卵管結紮といって卵管を縛ってしまって、妊娠しないように処置をする人もいました。

 

病院によっては「Vバック」といって、帝王切開後の妊娠でも、希望すれば経膣分娩を許可してくれるところもあります。

なので、帝王切開をした方でも、経膣分娩をしてみたい方は先生に相談してみたりして、対応できる施設を探してみてくださいね。

 

Vバックを行う場合、子宮破裂の兆候がないか注意しながらお産を進めて、赤ちゃんが生まれたら破裂してないかエコーで確認します。何かイレギュラーが起これば、すぐ帝王切開に切り替えます。

 

 

 

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前置胎盤は子宮の出口に胎盤がかかっている状態です。赤ちゃんが出られないので経膣分娩は無理です。

 

癒着胎盤は普通胎盤というのは、赤ちゃんが産まれたらするっと取れてくるものなのですが、癒着してしまっているため胎盤がなかなか取れないです。胎盤が取れないと、子宮が収縮しないので出血もだらだら続くし、感染症の危険もあります。

 

 

【赤ちゃんへの影響】

  • 新生児一過性多呼吸

→産道を通過しなかったことによるもので、一時的ですが、呼吸数が多くなります。

 

  • 麻酔薬の移行(全身麻酔の場合)
  • 低血圧

→帝王切開は通常腰から麻酔を入れて下半身麻酔で行います。なので手術中に意識はあるし、生まれたばかりの赤ちゃんと手術室内でほんのちょっとの時間だけですが、触れ合うことができます。赤ちゃんに麻酔が移行することはありません。

しかし、ほかの合併症があるなどの理由で全身麻酔で帝王切開を行った場合、赤ちゃんにも麻酔が移行するのでスリーピングベイビーといって、産まれてもなかなか自分で呼吸してくれない赤ちゃんがいます。

私たちは何とか自分で呼吸してもらおうと頑張って赤ちゃんを起こしますが、それでも自分で泣いてくれない場合、口から気管に挿管して人工呼吸器をつけます。

 

 

 

結構たくさんあると思いませんか!?

帝王切開をしたお母さん方はこれらを全部乗り越えたのは本当にすごいと思います。

帝王切開するといわれていても、いざ切るとなるととーーーーーーーっても不安だし怖いですよね。

帝王切開は立派なお産!!!

もし心無い言葉を言ってくる人がいたら全力で無視して、これらを乗り越えた自分を誇りに思ってくださいね!

 

以上、帝王切開は自然分娩より楽!?できるだけ帝王切開をしないほうがいい理由・リスクについて でした。では!

 

 

 

※リスクの項目は「病気が見えるvol.10 産科」103ページを参考に書きました。